カップ麺は早い、安い、うまいが揃った現代を象徴するような食品だが、それをもっと楽しく食べる空間ができないかと考え、たくさんのくぼみがある長いテーブルを作った。長いテーブルの中から食べる場所を選ぶ楽しみ、様々な大きさや形をもつくぼみの中から自分のカップ麺にあうくぼみを探す楽しみを与えられる事で、カップ麺は今よりさらに楽しく食べられるのではないかと思った。 古谷:カップ麺にこれだけ大層なテーブルがいるのだろうか。 これを見たとき、てっきり巨大な食器がそのままテーブルになっているというストーリーなのかと思った。そちらのほうが面白かったのではないか。この場合に置ける探す楽しみというのは、実際には不便なだけのもののような気がする。 ちなみに食器は空間の一部。 例えば日本には古来スプーンというものがなく、さじというものは薬を飲む為に使うもので、食事用のスプーンが使われだしたのは現代になってからだった。西洋では熱いスープをスプーン上で冷ましてから飲むが、スプーンのない日本はお椀から直接すすらなければならなかったため、音を立てて空気を一緒に取り込むことで、スープを冷ますという動作が生まれた。ひとつの食器が変わるだけで人間の動作はずいぶん変わる。食器が変わることで動作が変わり、それらがゆるやかに関連しながら空間というものを変えていく。そういうことを考えてみると面白かったと思う。
by enshu07
| 2007-07-11 17:30
| 第4課題
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